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2009/04/23

裏付けとか裏書きとか、裏も大事だったりするのよね

 お店のホームページで「ひとりごと」という日誌を書いております。その「ひとりごと」で誤字があったようで、お客様からご指摘を頂きました。「丁重」とあるべきところを「低調」と書いてしまったようで、大変失礼な文章になってしまうところでございました。ご指摘、ありがたかったのでございます。このような同音異義語の誤字を“堂々と”やってしまうというのは、パソコンによる文章入力の弊害でしょうかねぇ。

 ワタクシの本棚には、非常に大きな辞書が二つほどございます。角川の「類語新辞典」と講談社の「類語大辞典」でございます。俗に言う類義語辞典で、ワタクシが文章を書くときには、この二つの辞典が大活躍している時期がございました。ございましたと申し上げたのは、今や、この分厚い辞典が、小さな電池で動く電子辞書に収まっているからでございます。そしてその電子辞書も、以前ほどの出番はなくなってまいりました。パソコンで日本語変換をしながら、日本語変換プログラムに内蔵された辞書が参照できるからでございます。

 一昔前に比べますと、文章を書くのは本当に楽になったのでございます。まず辞書を引くのがお手軽になりました。そして資料や文献をあたるときには、インターネットという強い味方があったりするのでございます。文章の"裏"を取るために、本屋で立ち読みをしたり、図書館へ出向いたり、たった数ページのために本を購入したりとか、そんな手間がなくなったのでございます。サクッと検索一発でワラワラと検索結果が出てくるのでございます。インターネットというところは、巨大な百科事典のようなところでございます。

 さてさてさて、(一般書物の)文献から裏を取った内容というのは自信を持って書けるのでございますが、インターネットから引用したものは、たいへん用心するのでございます。正しいけれど古いものとか、間違っているけど書いた本人が正しいと思いこんでいるものとか、あえて間違ったことを書き込んでいるものとか、もうね、インターネットというところは何でもあり。正否の判断は自分の責任なのでございます。

 そんなインターネットの書き込みを鵜呑みにして「裏に入った(※注)」人がいらっしゃいます。『最後のパレード ディズニーランドで本当にあった心温まる話』というベストセラー本を書いた作者でございます。その本の一節が読売新聞に投稿されたあるエピソードと非常に似ているとのことで、盗作疑惑を持たれております。著者本人の談によれば、「ネット上でみんなが知っている話として載せた」と言っているようですが、ネット上の気楽な文章に”原典”があるかも知れないと、どうして疑わなかったのでしょうかねぇ。もし調べても分からなかったのであれば、「原典不詳」とひと言加えておくべきでございます。

 ワタクシは大学生のころ、国文学科に在籍しておりました。まぁ、中退しちゃったんですけどね。それで、大学の中にゼミというグループ分けがございまして、そのゼミの中で自分の研究を発表したり小論文を書いたりするわけでございます。このとき、書物から引用した文章に対しては、必ず出典を添えるというのが大原則でございます。出典を書かずに自分の文章のような書き方をすれば、それは盗作でございます。また、「孫引き」というのも厳禁でございます。これは、すでに書物の中で他の書物からの引用として書かれている文章を、さらに引用文として使うことでございます。この場合は、その「他の書物」までさかのぼって原典にあたる必要がございます。

 インターネットなどがなかったころは、活字になっている文章というものには、非常に威厳がございました。と同時に、それを引用する場合には細心の注意をはらっていたような気がいたします。最近は簡単に自分の書き込みをインターネットに掲載することができ、画面上できれいな文字で表示することができ、全世界に配信することが可能になっております。そのような簡単さが、かえって「引用」の重要さ・怖さに対して鈍感にさせているかも知れませんね。ということで、辞書のお話から、引用のお話でございました。

(※注)
ワタクシ、「裏に入る」という語を「道を踏み外して困った状態になる」という意味で長年使っておりました。初めてニューハーフになったときに、そのお店のママさんがよく使っていて覚えたのでございますが、今回、その語の「裏」を取ろうと思ったら、どの辞書にも載っておりません。また、ネット上でもまったく用例が見つかりません。裏がとれなかったので、本来、多くの方が読む文章には使うべきではございませんでしたが、名古屋薫はアマノジャクなので、そんな言葉も使ってしまうのでございます。あしからず...名古屋薫は自由な風なのさ

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