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2005/09/04

夏の終わりに

いやぁ、こちら名古屋はすっかり秋らしくなってまいりました。みなさまの地方では、いかがでございましょう? この秋っていうのは(まぁ、春もそうなんですけどね)、まったくもって突然やって来るものでございますね。ある朝気がつくと、風は澄みわたり、空ははるか上空に高く、そして何か、もの悲しい心持ちにさせられるのでございます。秋に“触れた”瞬間でございますね。

さて、先日、お友達のお母さんが亡くなられて、その葬儀参列のため、神奈川方面まで行ってまいりました。今年に入ってから3度目の葬式でございます。お葬式の当たり年とでも申しましょうか、まあ、何ですな、お葬式ばかりで、なんだか、お葬式がちょっとしたマイブームでございます(不謹慎、失礼)。

いままでこの歳まで、お葬式というものにあまり縁がなかったのでございますが、いざ参列するとなると、まったく予備知識なしでは心もとございません。いろいろ下調べをしたりしておりまして、お葬式や人が亡くなるということに対し、再認識をさせられることがございました。

まず、お葬式は“けっして不吉なことではない”と、よく言われます。清めの塩を不必要とする宗派もあったりいたします。みなさまがた、どうやら死ぬということは人間として“めでたい”ことのようでございます。この世に生まれることのめでたさと同じように、死ぬこともめでたいのでございます。オット、こう書くと、名古屋薫は集団自殺を勧めていると誤解を招きそうでございますね。いやいやそうではございません。“死ぬ”ことと“自分を殺す”ことは、まったく別でございますからね、念のため。

最近、人を見送っておりますと、死ねる人がうらやましく思えてまいります。逆に言うと、生きるということは、とてつもなく大変で苦しいことでございます。自分の“生”に、真剣にとり組めばとり組むほど、どんどん苦しくなってまいります。自分が生きるだけではなく、他人も“生かそう”なんて思ったら、それこそ他人を生かすために自分が死ぬ思いをすることになったりいたします。まるで、オスカーワイルドの「幸福の王子」のようでございます。

あっ、そうそう。この「幸福の王子」っていう童話、原作には王子とツバメとの愛情表現やキスシーンなんかがあったりいたします。愛するがうえの自己犠牲であり慈悲の行いなんですよね。艶っぽい部分をカットした子供向けの「幸福の王子」しか知らない方は、ぜひ原作も読んでみてくださいませ。深い深い大人の愛を読み取れるはずでございますよ。と、閑話休題。ちょっと脱線しましたので、本題に戻りましょう。

自分の生きてきた何十年という歳月を思い返すと、なんともアッという間の出来事に思えます。自分の前にはダラダラと未来が続いているというのにね。1月に亡くなったワタクシの母親も、やはり自分の人生を思い返して、アッという間だったんじゃないかと、思うのでございます。そして、もしワタクシが死ぬときにも、やはり自分の人生ってあっという間に感じるのでございましょうね。

“生まれる”という瞬間があって、全力疾走で“生き”、そして“死ぬ”という儀式がある。こう考えると、人間の一生ってのは、長いようで実はほんの一瞬の出来事なのかもしれません。その短い一瞬の中で、笑ったり泣いたり、出会ったり別れたりしているのでございます。運命というレールの上を黙々と走らされ、あらかじめ決められたスケジュールを淡々とこなしていく。そして、すべてのスケジュールをやり終えたとき、振り返るとその全行程はアッという間だった。そんなものなのでございましょうか、人生って。

人生をそう考えると、自分は“生きている”というよりも、“生かされている”と思えてくるのでございます。なんだか他力本願な消極的なイメージと思われるかも知れませんが、そうではございません。生かされているというのは、“自分はやがて必ず死ぬ運命なのだということを受け入れる”ということでございます。“死にたくない”と思うと、人生ってドンドン苦しくなるでしょ。“死に向かって全力疾走する”って考えれば、生きること死ぬことすべてが、ワクワクとしたものに思えてきませんか?

身近にいるかけがえのない人を失うと、あぁ自分もいつかは死ぬ運命にあるのだと思いしらされます。そして、今までの人生が、なんとも一瞬の出来事だったことだと感じさせられます。こんな感傷的な思いにさせられるのも、秋の到来のせいでしょうか? “死”という重たいテーマで恐縮でしたが、お盆も過ぎ、夏の終わりのテーマとして、書いてみました。

実は、今回のテーマにピッタリのフラッシュムービーがございます。あまりにも有名なムービーなので、ご存じの方も多いかも知れませんね。今回は、そのムービーを紹介して締めくくりましょうか。では、ご鑑賞下さいませ。

Walking Tour(作者不詳)
http://www.02.246.ne.jp/~catapila/flash/walkingtour.swf

さあ、秋の到来ともうしましても、名古屋の夏は残暑が厳しくてございます。9月下旬までは気が抜けないのでございます。みなさま方も季節の変わり目、お体などご自愛くださいませ。では、次回をお楽しみに。名古屋薫でございました。

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