手抜きのプロ…意味深かな。エヘッ
新年あけましておめでとうございます。名古屋薫でございます。新年早々一日遅れのメールマガジンとなってしまいました。読者のみなさま方は、どんなお正月を過ごしていらっしゃいますか?
さて、ワタクシが任されておりますお店ですが、おかげさまで立ち上げてから四回目のお正月を迎えることになったのでございます。立ち上げる際、見栄張って“年中無休”なんて大風呂敷を広げた手前引くに引けず、毎年大晦日は深夜の年越しまで店番、元旦は朝から準備して平常通りお昼から営業と、まるでコンビニエンスストアのような体勢で営業しております。
もっとも、オープンして最初の年などは、大晦日・元旦に来店されるお客様はほとんどいらっしゃいませんでしが、四回目のお正月を迎える今回などは、平日とほとんど変わらない盛況ぶり。まったくありがたいことでございます。これも、毎年同じように無休で営業していることが、お客様に徐々に浸透していった結果だと思っております。
こういったものは、毎回ガマンして同じように続ける、ということが大事でございます。最初の年に来店数が少なくても、何年も繰り返しているうちにお客様のほうが覚えて下さり、そしてその無休営業に合わせて行動するようになる、といったことだと思うのでございます。つまり、お店とお客様との信頼関係でございますね。“継続は力なり”ということわざを、身をもって体験する思いでございます。
その「続け方」も、ただガムシャラに続けてもダメでございます。サービス業にも「品質」というものがございまして、その品質を維持したまま続けなくてはいけないのでございます。エッ、新年早々、小難しくなってきたって? アハハ、今回はその「プロの品質」に関するお話でございます。新年から堅苦しいかもしれませんが、しばしお付き合い下さいませです。
当店では、電話の予約受付は「お昼12時の時報から」と決めております。スタート時間が曖昧ですと、何かとトラブルの元になるのでございます。でも人によっては「どうせお店に誰かいるのだから、早めの電話でも取ればいいじゃない?」と思われるかもしれませんよね。そこが、サービス業の品質の“落とし穴”なのでございます。
あるとき、時間前に鳴った電話を取ったといたしましょう。電話をかけたお客様にとっては、「そのときは」いいサービスだったかもしれません。しかし、まったく同じサービスを「いつも」出来るでしょうか? お客様は12時前でも電話に出てくれるものだと思い、また時間前に電話をしていらっしゃるかもしれません。そのとき、同じように電話に出られなければ、今度は「サービスが悪い」といった印象を受けるかもしれませんよね。
同じサービスをいつでも同じように提供できること。それが重要なのでございます。いつも同じだからこそ、お客様に安心して頂け、そこに信頼関係が生まれるのでございます。そして、いつも同じサービスを提供するためには、捨てることも必要になってくるのでございます。先ほどの例で申し上げますと、時間前に掛けていらっしゃる電話がそうでございますね。
プロの品質、アマチュアの品質といった例えは、スポーツの世界と似ているのでございます。常に全力を出し切る。それはアマチュア精神でございます。全力というのは「ギリギリ」ということでございますから、失敗もつきものでございます。ある意味、アマチュア精神というのは「ギャンブル」なのでございます。
一方、プロというのは「いつも同じプレーをするために、普段はちょっと手を抜くかも」ということなのでございます。手を抜くと言いますと言葉が悪うございますが、ギリギリのところでする危なっかしいプレーよりも、安定して一年を通してプレーできることの方が、プロとしては重要でありまして、そこに、選手と観客との信頼関係さえ生まれるのでございます。
話をサービス業に戻しますと、たとえイットキ頑張っていいサービスが出来ても、いつも同じサービスが出来なければ、結果的に、いつかお客様を失望させてしまうのでございます。逆に、自分の中で80パーセントぐらいのサービスしかできなくても、その80パーセントは必ずキープ出来れば、それは大変安定した良いサービスなのでございます。
その残りの20パーセントを捨てるというのは、サービス業として大変勇気がいるのでございますが、重要なのはお客様の「満腹度」でございます。ずるい言い方かもしれませんが、「捨てたことを気づかれなければいい」のでございます。つまり、80パーセントのサービスで、100パーセントの感動を与えるということ。プロのスポーツ選手がすごいファインプレーを(本当は)余裕をもってやっているのと同じでございますね。
さて、今年初めてのメールマガジンとしては、ちょっと堅苦しかったでしょうか?昨年は、かなりお休みを頂いてしまったこのメールマガジンでございますが、コンスタントに配信していきたいと思っております。まさに、同じレベルを維持し続けることが重要でございます(アァ、言った言葉が自分に跳ね返ってくる)。当メールマガジンは週一回の配信でございますが、メールマガジンを毎日配信していらっしゃる強者の方々も大勢いらっしゃいます。次回は、ワタクシが購読しておりますメールマガジンで、そういった強者の方々を、紹介したいと思っておりますです。
では、本年もよろしくお願いするのでございます。名古屋薫でございました。
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コメント
私も少しだけサービス業をかじったことがあります。その時の経験から。
私は喫茶店でアルバイトをしておりました。といっても、接客は殆どな
し。オーダーをきいてその通りに出すだけでした。でも、大変なんです。
このお店、いわゆる昔ながらの喫茶店。メニューがやたらに多い。でも
作り方を憶えるのは、そんなに難しくない。そこに落とし穴があります。
例えばフルーツパフェを作るとします。はじめは形になればいい位なんで
すが、徐々に高度な技術も身に付いてきます。豪華に、早く、繊細に出来
るようになります。いいものが出来ます。
でも、超えてはいけないものがあるんです。それは”メニューの写真”。
これよりもいいものは厳禁なんです。
いつも同じ人間が同じ仕事を出来るなら、何だっていい。でもバイトは
シフトが替わります。全員が出来なくてはいけないんです。子供さんに
「この前のと違う」と言われる訳にはいかないんです。他の人がどれだけ
出来るかに合わせないと接客に迷惑がかかってしまう。
ある時、一人のバイトの子が辞めるので、一度店のパフェを食べてみた
いと言われ作りました。材料は私がおごる訳にはいきませんから(店です
からね)、技術だけおごりました。その子は一目、怒りました。店に迷惑
をかけたと思ったのでしょう。でも一切原価は変わらないと告げるとかな
り驚いてました。
……最後に上手なパフェを作る人の特徴を一つ。リンゴを二つに割りま
せん。丸いリンゴを左手に持ち、右手の包丁で芯まで切り込みを入れます。
次に自分のほしい分量だけリンゴを回し、同じ動作でもう一度芯まで切り
込み。すると、くし形のリンゴが抜き取れます。必ずこうします。
リンゴはなるべく包丁を入れないようにしないといけません。色が変わ
ります。よく塩水に入れると色が変わらないと言います。しかし、それは
お弁当の話。塩水に入れれば味が落ちます。切らずにおいておくのが一番
です。そして色が変わったところだけ極々薄く包丁でとる。
色々書きましたが、一番難しかったのはやっぱり接客。常連さんには温
度の違う珈琲を出してました。が、天気と時間と気分、全てに合わせるの
は最後まで出来ませんでした。基本はやっぱり難しい。
投稿: 若月 | 2009/12/20 01:56