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2002年10月

2002/10/31

あなたが立てた小指がイタイ

半年ぶりのご挨拶、名古屋薫でございます。半年間も読者を待たせておきながら、「どの面(つら)下げて挨拶に来た!」って言われそうでございますが、ワタクシ、恥も外分も捨てて、半年ぶりにメールマガジンを送らせて頂いております。みなさんゴメンチャイ。

さて、恐縮しきった名古屋薫、照れ隠しの意味もございましていきなり本題でございます。実はある日突然ある方からこんなご質問を頂いたのでございます。

「オカマちゃんはコーヒーを飲むとき、なぜ小指が立つのか?」

誰からどういった形で質問を受けたのかは、後々のメールマガジンでご説明いたしますが、今回はその質問への回答を皆様方にご紹介するのでございます。まあ、ワタクシのいつもの悪い癖で簡単に2〜3行ですませられるものを、ダラダラと長文で答えちゃったりしているわけで、読者の皆様方、覚悟してお読み下さい。えっ、他者への回答の転載って、何だかお茶を濁したようなメールマガジンだって、ちっちゃいこと、ちっちゃいこと、気にしない、気にしない。

------ 以下回答文です ------

さて、
「オカマさんはなぜコーヒーを飲む時に小指を立てるのでしょうか?」
というご質問ですよね。

まずここで、ひとつ大きな認識不足がひとつございます。第一にそれを指摘しなければいけませんね。よろしいですか?

「立つのは小指だけではない!!!!」

ということなのでございます。そもそも、オカマさんがものを持つときに、ガシッと鷲づかみというのは、実に男性的でよろしくないのでございます。出来れば優雅に繊細に最小限の指でものをもつのがよろしいのでございます。

で、このとき、親指と人差し指では何かババッチイものを持っているようで下品でございます。また親指と薬指あるいは小指では力不足で物がもてません。だいいち、そんな持ち方、指がつってしまうのでございます。では、親指以外の四本の指を駆使して物が持てるかというと、残念ながら人間の手は親指を介さなければ物が持てないような構造になっているのでございます。その結果、残ったのは「親指と中指」でございますね。

さあ、実践でございます。物を持つときにこの「親指と中指」で持ってご覧なさい。どうでございましょう。見事に仕草がオカマチックになってはいないでしょうか? この親指と中指で物をつかみ、他の三本の指が伸びているというのが、実にオカマ仕草の象徴だったりするのでございます。もっとも、このとき、手首を下方に曲げて、手首の関節が突き上がるようにすると、もっともっとオカマチックになったりするのでございます(いま、まさに実践している熊谷さんの姿が目に浮かんでおります)。

さて、ここでひとつ不思議なことがあることをお気づきでしょうか? 何故そのような仕草がオカマに結びつくのでございましょう。中指で物を持ち上げただけで、すっかりあなたの周りの空気はオカマネスク、これは不思議でございます。それはですね、多くのオカマさんがそのような仕草をしているために、オカマさんのステレオタイプとなっているからなのでございます。

人が敬礼をしていたら、「この人は警察官かな、それとも自衛官かな」なんて思うでしょ。肩で風切って歩いていたら、「この人はヤクザ屋さんかな」なんて思うはず。それは、その雰囲気とお仕事がステレオタイプとして擦り込まれているからでございますね。ひょっとしたら、全然違うお仕事かもしれませんけど、先入観から、そう思ってしまうわけでございます。

実は、オカマさんの場合はこの先入観を逆利用している訳なのでございます。オカマさんと言えども体は男。ちょっとした仕草などに男っぽさが出ちゃったりすると、オカマ台無しになっちゃうわけでございます。そこで、物をつかむときには男性的な鷲づかみ状態を出来るだけ避け、優雅に気品よく繊細に持ちましょうという先人の知恵の現れがその中指の仕草であり、その仕草で積極的に職業色をアピールしているうちに、それがオカマさんのステレオタイプとなってしまったわけでございます。

ただ、実際にはそのような歴史的背景を意識してそのような仕草をしているわけではございません。オカマ業界に入ってきた者、あるいはオカマの世界に首をつっこみ始めた者は、皆、周りの環境に毒されて(笑)、自然に染まっていくのでございます。また、自分の男っぽい仕草などで、お客さんの前で恥ずかしい思いをしたりすると、何とか自分を女っぽくしようとして先輩のマネをしているうちに、身に付いちゃったりもするものでございます。

この中指での仕草、本来は鷲づかみに嫌悪感を憶える繊細な感覚の持ち主が自然に身につけたものなのでございましょう。それが職業的なイメージとなって、どんどん誇張され、浸透していったのでございます。そして今では、積極的に職業としてのオカマをアピールするのに使われたりするのでございます。オカマは決まって判で押したようにこの仕草をするので、オカマ→小指が立つという図式が成り立ったのではないでしょうか?

そこで、コーヒーカップのようなある程度重量のあるものは、やはり中指だけでは心許のうございます。人差し指や薬指ででサポートしつつ、でも、小指だけは伸ばして自己主張、といった感じの結果、小指だけが立つということになったのではないでしょうか? でもオカマ上級者になると、カップを持つとき左手で軽く支えてやると、右手は優雅に親指と中指だけで持つことが出来ちゃったりするわけでございます。このちょっとした手間暇を掛けるかどうかで、オカマ中級以下とオカマ上級者が別れちゃったりするわけでございますね。

さてさて、結論でございます。鷲づかみを「醜い」とするような繊細な感覚の持ち主は、自然と小指を立てる仕草をすることも多いことと思われます。そのような感覚が次第に中指でものを持つ仕草に結びつき、そしてその仕草がオカマちゃんの職業との相性の良さとも相まって自然にオカマちゃんに広がったということではないでしょうか。つまりオカマちゃんの小指は、(本来の感覚の繊細さ)+(職業的な仕草)+(自己主張の現れ)といった三要素の混ざり合った結果ではないかと思うのでございますが、いかがなものでしょうか?

ではでは、この辺で。こんなんでよろしいでしょうか?

------ とまあ、ここまでが回答文でございます ------

ここまで読まれた皆様方、お疲れさまでございました。いかがでございましたか? ちなみに、ワタクシは元来小指を立てる癖というのはなくて、ニューハーフになったとき、自分で矯正(笑)した覚えがございます。名古屋薫はきっと繊細な感覚の持ち主ではないということかも...両刃の刃的発言でした。

それでは、皆様方、今回はこの辺で。
長い間お待たせしました。申し訳ございません。

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