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2002/03/17

My Favorite 『AI』

はーい、名古屋薫でございます。昨日の予告編に続きまして、今回のテーマ「My Favorite」(お気に入り)でございます。今回のお気に入りは映画「AI」なのでございます。「アッ、この映画まだ観てないから」といって読むのを心配していらっしゃる方、映画のストーリーに関して触れるつもりはございませんから、そんな方も安心してこのメールマガジンをお読み下さいませ。

かつてワタクシ名古屋薫、「誰が映画なんかで涙を流すもんかい! 映画会社の陰謀にはアタシャ乗らないよ」なんて息巻いておりました。はてさて、どうして映画で泣かないゾなどと固執していたか? それにはワタクシ名古屋薫の映画に対する深ーい思い入れ(思いこみ?)があるからなのでございます。

皆様方、アメリカ映画のステレオタイプというのをご存じでしょうか? ステレオといっても音響機器ではございません。アメリカ映画の典型的なパターンという意味でございます。ワタクシ、そのアメリカ映画の典型的なパターンというのがあまり好きではない(なかった)のでございます。

■ステレオタイプ−その1『殺しゃいいってもんじゃないでしょ』■
悲しい映画にしようと思ったら、最後に誰かを殺しちゃう。これってアンチョコじゃない? 本当にその登場人物をそこで殺さなきゃいけないのか?って問いつめたい、小一時間問いつめたい。殺して出番少なくして俳優のギャラを節約したいだけちゃうんかと(ワタクシってこのパロディー、好きだよねー)。

人が死ぬということはもちろん辛いことでございます。たとえ、それが映画の中の登場人物だとしても... しかし「死にたいほど辛いのに生き続けなきゃならない」とか、「お互い生きているのに、会うことが出来ない」なんていう別の意味でもっと辛いことも、この世の中には有ったりするのでございます。

どうもアメリカの文化というものは(アメリカ人は日本のオカマに言われたくないネって思っているでしょうけどね)デジタル的で、白か黒か、善か悪か、生きるか死ぬかといった両極端の考え方に偏っちゃうみたいでございます。その中間のファジーで曖昧で中途半端なポジション(国会議員の答弁のようなものかな)で表現するというのは苦手なようでございます。

いや、苦手というのは失礼かも。映画に起承転結を持たせ、最後は泣かせるか完璧なハッピーエンドのどちらかにしないと観客動員を望めない。アメリカ文化がそういった白か黒かの作品にしか反応してくれないといった、作り手側の事情もあるのでしょうね。そこで、そのハッピーエンドに関連してステレオタイプ−その2でございます。

■ステレオタイプ その2『そんなに地球を救いたいのか』■
悲しく終わらせようとすれば、登場人物を殺す。逆にハッピーに終わらせようとする場合、決まってアメリカが地球を救っちゃう。アメリカの方々は観てて気持ちがいいかもしれないが、ワタシャもう“アメリカ万歳映画”は飽きた−−なのでございます(アメリカの方々、読んでたらゴメンナサイ)。

「ドンドン自己主張しよーゼ」というアメリカ的な考え方。「自分のやったことを誇らしげに自慢するなんてはしたない」という日本的な考え方。まあ、これは文化の違いだからしょうがないと言えばそれまで。また、日本にも「大岡越前」や「水戸黄門」のような完全勧善懲悪的ドラマが存在するので、あまり大口は敲(たた)けないのでございます。

しかし、大岡越前や水戸黄門は“読み切り・読み捨て”ならぬ“見切り・見捨て”的な娯楽番組だからこそ許せるというもの。やはり、映画館まで足を運び、決してやすくない料金を払って観るのでございますから、「映画館でお茶の間ドラマみせるなー」という気持ちなのでございます。

さあ、さんざん屁理屈を述べて参りましたが、こうやってステレオタイプのアメリカ映画を毛嫌いして、「涙なんか流すものか」と言っていたのはちょっと前までのお話。今では、こういったステレオタイプの映画は「アメリカ版『おとこはつらいよ』だと思って」割り切って楽しんでいるのでございます。

また、毛嫌いして観ないでいると、仲間内の話題に乗れないのでございます。ポケモンを見損なったために次の日学校で仲間はずれにされちゃう小学生のようなもので、「世間の観(み)なる話題映画といふものを薫も観てみんとてするなり」という心境なのでございます。

泣かせる映画なら泣かせてもらえばいい。ハッピーエンドで終わるって分かっているような映画なら、安心して展開を楽しめばいい。そして、本当の自分の“お気に入り”は大事に観ればいい。そう思うのでございます。名古屋薫も丸くなったものでございます。「名古屋薫もヤキがまわったね」なんて言われる所以(ゆえん)でございます。

さあ紆余曲折の末、今回のテーマの「AI」についてでございます。この映画がステレオタイプなのかどうかは、敢えて申し上げますまい。ただ、デイビット役のハーレイ・ジョエル・アスメントの演技が何ともすばらしいのでございます。この子役、「ペイ・フォワード」といった作品にも出ておりました。そのペイ・フォワードもいい映画でございますね、ステレオタイプという点を除けば(アーア、ばらしちゃった、ペイ・フォワード観てない人ゴメンナサイ)。

そして、ジゴロロボット役のジュード・ロウもなかなかかっこいいのでございます。彼が以前出ていた「リプリー」という映画は非ステレオタイプの映画でワタクシのお気に入りのひとつでございます。そのジェード・ロウが出ているという点でもこの「AI」、お気に入りなのでございます。

また、本音の本音を言うと、去年破壊された例のビルが、映画の中でどうなっているかなんていう、きわめて不謹慎な興味もほんの少しだけ有ったりしたのでございます。

さてさてさて、今回こそ短くまとめようと思っていたのでございますが、またまた長文になってしまいましたネ。今回はワタクシのお気に入りの「AI」にかこつけて、アメリカ映画のステレオタイプについて申し上げさせて頂きました。アッ、そうそうステレオタイプでもう一つ気に入らないことがございました。

■ステレオタイプ その3『非常事態でもラブシーンかい』■
これは皆さん分かりますね。まあ、これは映画の中のお遊びということで...

では、次回をお楽しみに。名古屋薫でございました。

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