オカマ言葉のルーツを探せ。オカマ大辞典その2
おまちどおさまでした。オカマ大辞典、その2でございます。中途半端な知識で知ったかぶりをし、日本中から非難、訂正、ご意見などをイッパイ頂いた、いわくつきのオカマ大辞典、その続編でございます。前回は私たちニューハーフを表す言葉として、オカマ、ゲイボーイ、シスターボーイ、ニューハーフ、ミスターレディーなどを取り上げましたが、ひとつ重要なものを忘れていました。ではさっそくそれから紹介いたしましょう。
《今回の言葉》
She-male(シーメイル)
ドラッグクイーン
ノンケ
オナベ
だんカマ
【She-male】(シーメイル)
「ニューハーフ」と同意と考えていいでしょうね。
この単語はあまり馴染みがないんじゃないですか? 主に洋物のエッチな本(もちろんニューハーフの)に使われています。また、国内にも「She-male白書」(光彩書房)という有名な雑誌がありますからそちらでご存じの方も多いでしょうね。「彼女、メスの」を意味するSheと「オスの」を意味するmaleとをくっつけた合成語なんです。この単語、国内ではそのShe-male白書という雑誌の登場で、一躍知名度を上げました。実は、先日ある方にうかがったところ、この単語、海外のニューハーフの人はほとんど使わないとのこと。英語圏ではトランセクシャル(transsexual)=性転換者、性倒錯者、またはトランスベスタイト(transvestite)=服装倒錯者、といった呼び方がメインだそうです。このShe-maleという言葉は風俗雑誌独特の言い回しらしく、性転換者や女装した人が自分のことをShe-maleとはまず言わないそうです。
さて、私のメールマガジンの題名「名古屋薫のShe-Male」はこのShe-maleをもじっております。ちょうどメイルという発音が同じなのでイイカナなんて思っちゃったわけです。最初の頃は「スペルが間違ってるぞっ」ていうご指摘も頂いちゃったりしました。この単語、ひょっとして登録商標として申請した方がいいのでしょうか。それとももうすでに誰かが登録していて私は知らぬ間に著作権侵害の罪人になっちゃっているんでしょうか? ちょっと気になるけど、まあ、次いきましょう。
【ドラッグクイーン】
とってもケバい化粧でパフォーマンスする女装者のこと
よく、ドラッグクイーンってなあに、って聞かれることがあります。このドラッグクイーンって説明するの難しいですよねー。「3人のエンジェル」または「プリシラ」といった映画をご存じでしょうか? これらの映画はドラッグクイーンが主人公なんです。レンタルビデオなどで見つけたら一度ごらんになってみてください。オカマとかニューハーフといった言葉がその人のライフスタイル的な意味合いを持つのに対して、このドラッグクイーンという言葉は単に容姿を指すのみと考えた方がいいでしょうね。宝塚の女役を10ケバくした感じと言いましょうか、またはリオのカーニバル風味と言った感じでしょうか。とにかくドラッグクイーンってのは舞台の上で見られるということを本望としておりますので、基本的に舞台化粧なのでございます。色使いは九官鳥のようにケバく、付けまつげゴンゴンと言えば何となく想像していただけるでしょうか。
ドラッグクイーンと呼ばれる方には性転換者もいれば性倒錯、服装倒錯の人、また全くのノーマルの人もいます。つまり、ドラッグクイーンという名前にはそのパフォーマンスそのものを意味するのであって、性的な意味合いはあまり重要じゃないみたいですね。ドラッグクイーンだからと言って必ずしもゲイじゃないんですよね。最近流行(はやり)の「ヴィジュアル系」ってのも軟弱なドラッグクイーンって言えるんじゃないですか?(ヤバイ、こんなこと書くとまた苦情のメールが来ちゃうかも)
【ノンケ】
ゲイでない人、いたってノーマルな人のこと。
私たちゲイの世界から見てノーマル側にいらっしゃる方々をさしてこう呼びます。ニューハーフの恋人になる男性って、ほとんどがノンケの人なんです。ごく普通に女性を愛することが出来、ひょっとすると奥さんとか子供さんとかがいらっしゃる男性がニューハーフと恋に落ちるのです。つまりニューハーフを女性の延長線上に見ているんでしょうね。逆にホモセクシャルの人がニューハーフに恋するということは、ほとんどありません。世間一般から見ればニューハーフもホモセクシャルも単なる「ゲイ」という言葉で片づけられちゃうのですが、私たちの世界では、ちゃんと区別されちゃってるんです。実はニューハーフとホモセクシャルの人たちって仲が悪かったりということもあったりするんです。そんな様子を見て人は「目くそ鼻くそを笑う」なんて言う人もいますけどね。失礼ね!
【オナベ】
男装している女性のこと。なかなか男っぽいんですよネー、最近のオナベちゃんは。
この言葉も、もはや有名ですよね。もちろん、オカマバーがあるようにオナベバーというお店もあります。そして、最近のオナベちゃんは実に男っぽいんですよ。もちろんホルモン療法(この場合は男性ホルモンを注射する)をしているからなんですけど、声を聞かなきゃまずわかんないですよ。骨格も男、髪の生え際も男、人によってはヒゲが生えちゃってたりするんですから。ニューハーフの中にもなかなか分かんない娘が増えてきましたが、最近のオナベちゃんもレベルアップしてますよー。普段何気なくすれ違っている男性、挨拶を交わしている男性が実は女性かもしれないのですよー。声がちょっと高いかなって感じる場合が多いですが、でも、男性だと思いこんでいたら声を聞いても気づかないようなオナベちゃんも大勢います。
男だと思っていた人が実は女だったり、また女と思っていた人が実は男だったり。怖いですねー、最近の世の中。もう誰も信用でき無くなっちゃいますねー(ちょっと大げさかな!)。私の働いているお店ShowGirlにもオナベちゃんが二人ほど働いています。近頃は男女雇用均等法が出来たから、男と女、平等に雇わなくっちゃね、ナンテネ。
【だんカマ】
一応、化粧はしているけれど、ちっとも女っぽい館背を持っていないオカマ(ニューハーフ)のこと
「営業オカマ」なんて言葉もあります。けっして性倒錯や服装倒錯ではない人がお仕事として“割り切って”オカマをやっている人たちのことです。「だんカマ」もそれに近い言葉でしょうね(ちょっと自信がないのです。異論のある人はメールください)。また、ニューハーフになり立てで仕草などに男が見えちゃったりすると「だんカマ」と言って馬鹿にされちゃったりします。でも、まだニューハーフという言葉が出来る前、ゲイポーイという言葉しかなかった頃はこの営業オカマの人は時々いらっしゃったそうです(先輩だから敬語を使います、オッス)。奥さんや子供がいるゲイボーイなんてテレビや雑誌で見たことがあります。最近の若いニューハーフの人から見るとそういうのってすごく不思議らしいんです。私は不思議って感じないと言うことは、私はもはやオバサンの仲間入りなのかしら...
以前もどこかで書きましたが、「ニューハーフ」という言葉はライフスタイルではなくて、むしろお仕事の名前なんでしょうね。ドラッグクイーンという言葉が生き方ではなくパフォーマンスのみを指す言葉であるように、『ニューハーフというお仕事に就いています。お客さんの前では“ニューハーフというキャラクター”を演じてます。でも、内面の性は人それぞれです』と言うのが本当なのかもしれません。それくらい、今ニューハーフと呼ばれている人たちには様々な人たちがいて、十羽ひとがらげにする事が出来ないんです。
ニューハーフはこんな性格、こんな話し方、こんな仕草という先入観がお客さんの方にあるのかもしれません。当然客商売なので私たちもお客が望む物を‘演出’します。そうやって、ニューハーフ、あるいはオカマというキャラクターが作られてきたという見方、こんな考え方は出来ないでしょうか? そういえば、芸能人などでも事務所が作ったイメージ、あるいは一般大衆が作ったイメージを追いかけているうちに、いつの間にかそのように染まってしまった人もいるはずです。ニューハーフもひょっとすると、他人様が作ったイメージに振り回されているだけなのかな、なんて考えることがあります。
そして、最近はそういった典型的なイメージにこだわらないニューハーフの人たちも増えてきました。しかし、そういった人たちは必ずしも水商売に向いていなかったりするんですね。だって、典型的なニューハーフのイメージって水商売の中で培われてきたものですからね。ひとむかし前だったら無理矢理自分をその典型的なパターンに染めていったんでしょうね。だってその当時はニューハーフって水商売以外にお仕事なんかなかったですから。でも、今は上手にやればニューハーフだっていろいろなお仕事が出来るんです。昼間アルバイトをやっている人もいます。オフィスレディーとして普通の会社に勤めている人もいます。また、同じ水商売でも女の娘のクラブで働いたりとか、あるいはソープランド(ビックリ!)で働いている娘(もちろん性転換)もいます。
エーン、さてさて、ここまで書いてもういいネタが無くなっちゃいました。もっと下品な言葉だったらいっぱい知っているんだけど、ちょっとここには書けません(!)。みなさんが興味を持ちそうな言葉って前編でほとんど出ちゃってますからね。今回はちょっと物足りないかな? ごめんね。私自身、今回のメールマガジンは妙に理屈っぽくなっちゃってなんだか不完全燃焼って感じ。水商売の疲れがこんなところに出ちゃってるのかしら。
では、今回はこんなところで。バッハハーイ。
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